エネルギー自立都市構想(その3)

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     平成21年(2009年)3月21日に書いたものです。


      「エネルギー自立都市構想」のその3


      (3)上海市崇明島の「東灘プロジェクト」


      無人の荒野に、エネルギー自立都市を基本とする未来都市を建設するプロジェクトは、「マスダール・シティ」だけではない。
     上海市の「崇明島(すうめいとう・チョンミンダオ)」で推進されている「東灘プロジェクト」は、世界初の「生態都市」をめざして建設が開始された。
     86平方キロ(杉並区の面積は34平方キロ)のエリアでは、建物の高さは8階に制限。燃料電池を動力にしたバスや電動バイク、自転車など環境に優しい乗り物が走る。下水は浄化再利用、固形廃棄物の80%は再利用。エネルギーは海風を利用した風力発電や有機廃棄物を利用したバイオ発電が取り入れられる。東灘エリアはCO²ゼロ都市として開発される。2010年上海万博で、その一部が公開される。

     ユーラシア大陸の東西に「エネルギー自立都市」が建設されている。にもかかわらず、日本では、「案」「構想」すら話題にされない。何者かの力によって、「エネルギー自立都市」は「不可能な夢物語、SF物語」であると、日本人すべてが洗脳されてしまっているようだ。

     なお、デンマークの「H2PIA」プロジェクトに関して。これは、都市ではなく、一つのビルの話。水素エネルギーを本格的に活用するビルである。未来は石油・石炭・天然ガスよ、さようなら。原子力もさようなら、である。  (続く)


    エネルギー自立都市構想(その2)

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      平成21年(2009年)3月21日に書いたものです。

        「エネルギー自立都市構想」のその2

        (2)マスダール・シティ・・・アラブ首長国の未来都市

        現在建設中のエネルギー自立都市で、もっとも端的な例はアラブ首長国連邦の未来都市「マスダール・シティ」である。不可能な夢物語、SF物語と思われているエネルギー自立都市が、具体化しつつあるのだ。日本ではビジョンさえ語られないのは、政治家・オピニオンリーダーの怠慢である。
      「マスダール・シティ」の概要が、平成20年(2008年)11月25日の朝日新聞に掲載されていた。(※今では、「マスダール・シティ」で検索すれば出てきます)以下は朝日の記事の要約です

        (アラブ首長国連邦=UAE)首都アブダビ郊外に未来都市「マスダール・シティ」が建設中。石油を使わずにCO²を一切出さない都市だ。予定地でマサチューセッツ工科大の研究所の建設が始まっていた。環境に関...する企業や大学の研究所が集まり、4万人が暮らし、5万人が通う。必要なエネルギーはすべて再生可能エネルギーで賄う。
       完成予想図では、太陽光発電パネルが畑のように広がり、周りを風力発電用の風車が取り囲む。砂漠に木々の緑の茂る街が浮かび上がる。この建設に、政府系投資会社が2兆2000億円を投じる。

       (コメント)たったの2兆2000億円である。ちなみに、批判の大きい定額給付金総額が2兆円、日本国家予算が80兆円である。

       「マスダール・シティ」建設予定地で平成20年(2008年)10月下旬、東京工業大学の玉浦裕教授が指揮を執っていた。機器を据え付ける準備だった。1年後、ここに玉浦教授が開発中の太陽光集光熱発電の実験プラントが完成する。将来は、中東の強い日差しを鏡で集めて600度の熱に変え、水蒸気で発電用タービンを回す。コスト面では太陽光パネルより優れ、火力発電と比べても見劣りしないという。

        マスダールのリッド・アワード開発部長は「我々は今後、石油を燃料ではなく、プラスチックの原料向けに使う。エネルギーは太陽を使いたい。地球に負荷をかけないやり方だ」と語る。        (続く)

      エネルギー自立都市構想

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        平成21年(2009年)3月21日に書いたものです。

         「エネルギー自立都市構想」

         (1)環境問題はエネルギー問題に収斂する

         平成1年(1989年)に、『ゴミ恐慌1992年』(八重岳書房)を発表しました。題名のとおり、「ごみ問題」の本で、今日に至る「ごみ問題の社会問題化」を喚起した本であると自負しています。ごみ問題を研究していると当然、「地球環境問題」を研究することに発展します。研究すればするほど、「深刻さ」を認識し、しだいに「絶望感」に陥り、いわゆる「地球環境ノイローゼ」になります。
         そして、私自身が「地球環境ノイローゼ」を克服できたのが、「大半の環境問題はエネルギー問題に収斂される」ことに気が付き、「エネルギー自立都市構想」の思いに至ったからです。

         「エネルギー自立都市構想」・・・その基本的イメージは次のようなものです。
        ◎石油・石炭・天然ガス・原子力を不要とし、自然エネルギーだ...けで、エネルギーをまかないます。
        ◎日本の常識では、そんなことは不可能・夢物語・SF小説と笑います。しかし、そうでは、ありません。
        ◎この構想のネタは、佐々木良作(元民社党委員長)が政界引退後立ち上げた「エネルギー問題調査会」の「最後の研究報告」です。佐々木良作の指示は、「なにものにもとらわれることなく、自由に、日本の将来、世界の将来を」というものでした。私も末席に座っていましたが、その報告書は当代一流の学者(原子力学者もいました)が書き上げたものです。
         その中に、東京を「エネルギー自立都市」に改造する場合、基幹的設備費用は約1兆円と試算されました。たったの1兆円です。ちなみに、国家予算は年間80兆円(当時)です。新宿の東京都庁が約3000億円だったと記憶しています。
        ◎要するに、「技術的に可能」。しかも、「さほど費用はかからない」ということです。
        ◎当時、「首都機能移転構想」がありましたが、これは基本的に20世紀型の「過密過疎論」に過ぎません。
        ◎「エネルギー自立都市構想」こそが、21世紀以降の子孫へのプレゼントです。

         こうした考えを、平成19年(2007年)4月9日の私のHPに掲載しました。そして、東京改造は、権利・利害が複雑なので、どこか「地方のモデルA地域」に「エネルギー自立都市構想」の大雑把設計図を描いてみようと考えました。
         しかし、その後思ったことは、私が大雑把設計図を描かなくても、すでに、世界の各地で「エネルギー自立都市構想」は具体的に進行しているという事実です。私の大雑把設計図よりも、その事実を宣伝することの方が、はるかに迫力がある、と思い至りました。(続く)

        エネルギー自立都市構想

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          目次
          (1)環境問題はエネルギー問題に収斂(集約)する
          (2)マスダール・シティー・・・アラブ首長国連邦の未来都市
          (3)上海市崇明島の「東灘プロジェクト」
          (4)ゴッドランド島とサンソ島
          (5)フライブルク…「環境首都」
          (6)「環境モデル都市」・・・日本の場合


          (1)環境問題はエネルギー問題に収斂[しゅうれん](集約)する

           

           平成1年(1989年)に、『ゴミ恐慌1992年』(八重岳書房)を発表しました。題名のとおり、「ごみ問題」の本で、今日に至る「ごみ問題の社会問題化」を喚起した本であると自負しています。  ごみ問題を研究していると当然、「地球環境問題」を研究することに発展します。研究すればするほど、「深刻さ」を認識し、しだいに「絶望感」に陥り、いわゆる「地球環境ノイローゼ」になります。

           そして、私自身が「地球環境ノイローゼ」を克服できたのが、「大半の環境問題はエネルギー問題に収れんされる」ことに気がつき、「エネルギー自立都市構想」の思いに至ったからです。


            「エネルギー自立都市構想」……その基本的イメージは、次のようなものです。

          ◎「エネルギー自立都市」とは、石油・石炭・天然ガス・原子力を不要とし、自然エネルギーだけで、エネルギーをまかないます。
          ◎日本の常識では、そんなことは不可能・夢物語・SF小説と笑います。しかし、そうでは、ありません。
          ◎この構想のネタは、佐々木良作(元民社党委員長)が政界引退後、立ち上げた「エネルギー問題調査会」の「最後の研究報告」です。佐々木良作の指示は、「なにものにもとらわれることなく自由に、日本の将来、世界の将来を」をということでした。私も末席に座っていましたが、この報告書は、当代一流の学者(原子力学者もいました)が書き上げたものです。
            その中に、東京を「エネルギー自立都市」に改造する場合、基幹的設備費用は約1兆円と試算されました。たったの1兆円です。ちなみに、日本の国家予算は年間80兆円です。新宿の東京都庁が約3000億円だったと記憶しています。
          ◎要するに、「技術的に可能」。しかも、「さほど費用はかからない」ということです。
          ◎当時、「首都機能移転構想」がありましたが、これは基本的に20世紀型の「過密・過疎論」の延長にすぎません。
          ◎「エネルギー自立都市構想」こそが、21世紀以降の世界の子孫へのプレゼントです。


           こうした考えを、平成19年(2007年)4月9日の私のホームページに掲載しました。そして、東京改造は、権利・利害が複雑なので、どこか「地方のモデルA地域」に「エネルギー自立都市構想」の大雑把設計図を描いてみようと考えました。平成19年4月の杉並区議会議員選挙に際しては、1年以内に発表すると、私の選挙公約の1つにしました。

            しかし、その後、思ったことは、私が大雑把設計図を描かなくても、すでに、世界の各地で「エネルギー自立都市構想」は具体的に進行しているという事実です。私の大雑把設計図よりも、その事実を宣伝することの方が、はるかに迫力がある、と思い至りました


          (2)マスダール・シティー・・・アラブ首長国連邦の未来都市

           現在、建設中のエネルギー自立都市で、もっとも端的な例はアラブ首長国連邦の未来都市「マスダール・シティ」であろう。
            不可能な夢物語、SF物語と思われているエネルギー自立都市が、具体化しつつあるのだ。日本ではビジョンさえ語られないのは、政治家・オピニオンリーダーの怠慢である。


          「マスダール・シティ」の概要が、平成20年(2008年)11月25日の朝日新聞に掲載されていた。

           (アラブ首長国連邦=UAEの)首都アブダビ郊外に未来都市「マスダール・シティー」が2015年までに建設される。石油を使わずにCO2を一切出さない都市だ。予定地で米マサチューセッツ工科大学の研究所の建設が始まっていた。
            環境に関する企業や大学の研究所が集まり、4万人が暮らし、5万人が通う。必要なエネルギーはすべて再生可能エネルギーで賄う。

           完成予想図では、太陽光発電パネルが畑のように広がり、周りを風力発電用の風車が取り囲む。砂漠に木々の緑の茂る街が浮かび上がる。この建設に、政府系投資会社が2兆2000億円を投じる。

          [コメント]
          たったの2兆2000億円である。ちなみに、批判の大きい 定額給付金総額が2兆円、日本の国家予算が約80兆円である。

           

           マスダール・シティー建設予定地で平成20年(2008年)の10月下旬、東京工業大学の玉浦裕教授が指揮を執っていた。機器を据え付ける準備だった。
           1年後、ここに玉浦教授が開発中の太陽光集光熱発電の実験プラントが完成する。将来は、中東の強い日差しを鏡で集めて600度の熱に変え、水蒸気で発電用タービンを回す。コスト面で太陽光パネルより優れ、火力発電と比べても見劣りしないという。

           マスダールのハリッド・アワード開発部長は 「我々は今後、石油を燃料ではなくプラスチックの原料向けなどに使う。エネルギーは太陽を使いたい。地球に負荷をかけないやり方だ」 と語る。

            アラブ首長国連邦(=UAE)の中でも環境に熱心な首長国アブダビは、2020年までに国内需要の10%を再生可能エネルギーで賄う野心的な計画を描いている。
           それだけに、中東は環境技術の巨大な実験場ともいえる。ゼネラル・エレクトリック中東のナビル・ハバエブ最高経営責任者(CEO)は 「豊富なエネルギーと急速な人口増加。中東は、環境事業に携わる者にとって最も重要な市場だ」 と話す。

           記事は、天然ガスの液化プロジェクト(石油よりも液化天然ガスの方がCO2が少ない)、石油精錬施設の最新鋭、高効率の機器への更新計画などが続く。

          [コメント]
          日本の将来のみならず、人類の将来を考える時、「エネルギー自立都市」構想を語るべきだ。技術的に可能、資金的にも可能。エネルギーが変われば、すべての産業が変わる。すなわち、産業革命だ。


          (3)上海市崇明島の「東灘プロジェクト」

           

           無人の荒野に、エネルギー自立都市を基本とする未来都市を建設するプロジェクトは、マスダール・シティだけではない。

            上海市の「崇明島(すうめいとう・チョンミンダオ)」で推進されている「東灘プロジェクト」は、世界初の「生態都市」をめざして建設が開始された。
           86平方キロ(ちなみに、杉並区の面積は34平方キロ)のエリアでは、建物の高さは8階に制限。燃料電池を動力にしたバスや電動バイク、自転車など環境に優しい乗り物が走る。下水は浄化再利用、固体廃棄物の80%を再利用。 エネルギーは、海風を利用した風力発電や、有機廃棄物を利用したバイオ発電が取り入れられる。
           東灘エリアは二酸化炭素ゼロ都市として開発される。  2010年上海万博で、その一部が公開される。

          [コメント]
          日本ではまったく話題になっていないのが不思議だ。しかし、上海万博が開催されれば必然的に周知されると思う。その時、日本でも、「エネルギー自立都市」を真剣に考えるようになるかも…と期待している。マスコミが万博報道に際して、「観光案内」だけに終わらないように願っている。上海万博へ行くなら、ついでに、「崇明島の東灘エリアへ」が合言葉になって欲しい。
            

           ユーラシア大陸の東西に「エネルギー自立都市」が建設されている。にもかかわらず、日本では、「案」、「構想」すら、話題にされない。数年前まで、20世紀的過密過疎論の首都移転論が議論されたが、「エネルギー自立都市」という発想は皆無であった。何者かの力によって、「エネルギー自立都市」は「不可能な夢物語、SF物語」であると、日本人すべてが洗脳されてしまっているようだ。


            なお、デンマークの「H2PIA」プロジェクトに関して一言。これは、都市ではなく、一つのビルの話。水素エネルギーを本格的に活用するビルである。未来は、石油・石炭・天然ガスよ、さようなら。原子力もさようなら、である。


          (4)ゴッドランド島とサンソ島

           

           無人の砂漠や荒地に、まったく新しい人工の「エネルギー自立都市」を建設するのは、案外容易かもしれない。同様に、閉鎖系の島は、エネルギー自立を達成しやすい。その例として、スウェーデンのゴッドランド島とデンマークのサムソ島が有名である。残念ながら、日本ではさほど知られていないが。


          ゴッドランド島(スウェーデン)

          ○スウェーデンのゴッドランド島は、EUの自然エネルギー自給島の対象地である。
          面積3140km2。(東京都の面積は2187km2)バルト海最大の島。
          人口5万7500人。観光客年間65万人。
          中心都市ヴィスビュー(=ビスビー)は世界遺産に登録されている。
          宮崎駿のアニメ『魔女の宅急便』のモデルになったらしい。
          農業と観光の島。工業は国内最大のセメント工場がある。


          ○石油・石炭に依存したエネルギーを、25年間(1998年〜2025年)で、再生エネルギー100%に転換する。

          [コメント]
          スウェーデンでは、イエテボリ市、ベクショー市がエネルギー自立都市として知られている。

           

          ○中心都市ビスビーの地域暖房システム
          ビスビーの75%が地域暖房システムネットワークに入っている。
          そのエネルギーの95%は、主に木材生産からでるバイオマスを資源とする再生 エネルギーである。それ以外は、ゴミ処理場・下水処理場からのバイオガス、 海水温度を利用したヒートポンプ。

          ○島の南西部にウィンドファーム(風車設置地帯)
          ゴッドランド島全体で130基の風車があり、ここに80基ある。 500KWの風車1基の設置額が約3600万円。年間の土地代・管理費が45万円。年間電力販売額550万円。ということは、[3600÷(550−45)≒7.1]であるから、7〜8年で元が取れる。なお、耐久年数は、25年。

          [コメント]
           日本の場合、「電力会社の買い入れ価格が安い」ことが問題。

          サムソ島(デンマーク)

          ○デンマークのサムソ島は、「デンマーク自然エネルギーアイランド」という国家構想でのコンペで最優秀賞を得た。
          面積114km2。
          人口4300人。

          ○10年間(1998〜)で100%自然エネルギー電力供給のプロジェクト。5年間で達成。余った電力は本土に売電。
          陸上風車は、1000KWが11基。これで全島の電力100%自給。
          洋上風車は、2300KWが10基。


          ○地域暖房はバイオマスの導入を推進。ウッドチップと太陽熱コレクターを利用したもの、麦わらを利用したもの。

          ○サムソ・エコミュージアムが有名で、いわば「地域まるごと博物館」である。


          [参考資料]
          ☆「北欧の自然エネルギー自給エコランド構想」を検索すると、日本大学建築・地域共生デザイン研究室のHPがあり、糸長浩司教授のレポートが掲載されてある。
          ☆特定非営利活動法人「環境エネルギー政策研究所」のHPに「自然エネルギーによる100%電力供給を達成したデンマーク・サムソ島」が掲載されている。


          (5)フライブルク…「環境首都」

           

          無人の砂漠・荒地に人工都市を建設、あるいは、閉鎖系の島をエネルギー自立アイランドにする……ではなく、既存の都市を「エネルギー自立都市」に改造する。その先進的モデルも、すでに存在する。一番有名な都市が、ドイツ南部(スイスに近い)のフルブライト市である。先進的に環境問題に取り組んでいる。そのため、「環境首都」と呼称されている。人口21万6000人。


          ◎自然エネルギー、交通政策、ごみ処理の三つが特に有名。

          ○自然エネルギー……原子力発電計画への対案として「エネルギー自立都市」を基本とした。「省エネ」「既存エネルギーの新しい利用形態の推進」「新エネルギーの推進」の3本柱。
          古い建物が多く、断熱構造へ改築
          省エネランプを無料支給など省エネ機器の利用促進
          低エネルギー住宅建設促進
          太陽光発電の普及。
          ごみ埋め立て場から出るメタンガスを利用したドイツ最大級のコージェネレーション発電所。
          市民風車(市民が出資して設置・運営、約6.5%の利回り)。


          現段階では、自然エネルギー100%自給は未達成であるが、それを目指している。

          ○交通政策……市内へ一般自動車乗り入れ禁止(1984年)。市電・市バスと自転車の強化。市民の70%が路面電車の駅から500メートル以内。

          ○ごみ処理……ごみを出さないルール。具体的には「使い捨て容器の禁止」「一定量以下のごみは換金」「焼却処分禁止」

          [コメント]
          日本ではごみを減らすために有料化政策を採用する都市が多い。フルブライトは逆の発想で、一定量以下にごみを減量した家庭にお金を渡す。

           

          ◎ドイツには、フライブルクだけでなく、いくつもの環境都市があるが、フライブルクが、一番有名。


          (6)「環境モデル都市」・・・日本の場合

           

           京都議定書では、温室効果ガス排出量を1990年比で2012年までに6%削減を決めた。
           しかし、地球温暖化を抑えるためには不十分なので、2050年までに先進国は60〜80%の削減が必要。
            平成20年(2008年)1月18日の福田総理施政方針演説(第169回国会)を受けて、先駆的にチャレンジする都市「環境モデル都市」を選ぶことになった。全国から82件(89自治体)が応募した。
            東京都内では、千代田区・豊島区・北区・江戸川区・調布市・福生市の6区市が応募した。杉並区は応募すらしなかった。

           

          [コメント]
          杉並区が応募しなかった理由は、山田区長が「地球温暖化の原因は二酸化炭素増加ではない」という考えを信じ込んでいるためと推察。地球温暖化の原因はどうあれ、将来ビジョンは、「石油・石炭・天然ガスよ、さようなら。原子力もさようなら」すなわち「エネルギー自立都市」である。

           

           そして、政府の地域活性化統合本部は応募自治体から、2008年(平成20年)7月、6市町を、次いで、2009年(平成21年)1月22日、7市区町を「環境モデル都市」に選定した。
            いずれも、温室効果ガスの排出量を現状よりも50%以上削減を目標としている。

           13市区町が取り組む詳細に関しては、それぞれのHPを読んでいただきたい。以下は、その抜粋です。


          帯広市(北海道)…木質バイオマス・新エネ施設の誘致。牛ふん利用の燃料。
          下川町(北海道)…カーボンオフセット(二酸化炭素=カーボンダイオキサイドを相殺する=オフセット)実施による都市部企業の資金を森林経営に活用。
          千代田区(東京都)…建築物にトップランナー基準の省エネ性能の導入を促す。
          横浜市…再生可能エネルギーの供給拡大を目指す「横浜グリーンパワー」を設立。市民の省エネ製品購入を促す「環境ポイント制度」。ゼロカーボン(CO2がゼロ)生活モデル。
          飯田市
          (長野県)…再生可能エネルギー
          富山市…公共交通機関の利用促進
          豊田市…公共交通への転換
          京都市…歩行者主役のまちづくり、低炭素住宅
          堺市…世界最大級の大規模太陽光発電所の設置
          梼原町(ゆすはら・高知県)…森林整備
          北九州市…工場から出た排熱を周辺産業施設に供給
          水俣市(熊本県)…環境教育
          宮古島市(沖縄県)…サトウキビからバイオエタノール生産


           全体の印象は、自然エネルギーによってエネルギー自立・自給という視点が弱すぎる感じがする。北欧の諸都市に比べて、圧倒的に遅れを取っている。今後、はたして巻き返しができるのか?
           そんな中でも私が一番注目しているのが、長野県伊那谷の飯田市である。飯田市のホームページを読むと、「エネルギー自給都市」(自給=自立)という言葉が、遠慮がちではあるが、はっきりと登場している。
           とりあえず、皆さん、飯田市を注目しよう。2〜3年後には、飯田市は「日本の希望」となるかも知れない。 

           
            「エネルギー自立都市」、それは不可能な夢物語、SF小説ではない。

          ※私のホームページに掲載してありました、平成19年(2007年)4月9日の活動報告「エネルギー自立都市構想」と、平成21年(2009年)元旦の活動報告「マスダール・シティー」は、この特別レポートの一部分と同一内容なので削除しました。

          ※平成21年の杉並区議会第1回定例会で、この特別レポートと同趣旨の質問をしました。杉並区役所のホームページからビデオ録画をご覧いただけます。(杉並区役所→杉並区議会→議会中継→平成21年第1回定例会・2月14日(代表質問)→太田哲二 再生:後半部分)


          自作農が基本

          0
            目次
            (1)第4期の農業政策を
            (2)4つの視点
            (3)巨大多国籍アグリ企業の支配

            (1)第4期の農業政策を

               戦後農業の推移を鳥瞰してみよう。
             第1期の 戦後復興期は、食料増産が至上命令であった。手厚い保護の下、1955年には食料自給を成し遂げた。
             
             第2期は、60年代からの高度経済成長時代(輸出工業立国)と農業基本法(1961年施行)の時代である。それは、国際分業路線の開始で、米・果実・蔬菜・畜産は近代化するが、他分野(イモ・豆・大麦など)は捨て去られた。
             
             第3期は、アメリカなど諸外国からの農産物自由化の圧力、国内では「小さな政府」論が流行、その結果、保護農政の大黒柱である食糧管理法が廃止された(1995年)。こうした新局面(自由化と市場経済)に対応するため、1999年に新農業法(食料・農業・農村基本法)が制定された。この法の理念、すなわち、食料自給率向上、国土・環境保全、農業従事者育成、自立農家育成、農工の所得格差是正、持続可能な農業などは、確かに正しい。しかし、現実は逆行していった。

              新農業法は、当初から世界の気候変動・生態系の悪化、世界の飢餓人口の増大を視野に入れていなかった。さらに、想定外の世界の主要穀物の価格暴騰(2006年以降)が加わった。こうした世界の趨勢を考慮すると、第3期の農政は、たぶんに「供給過剰を前提」にしているが、第4期は「供給不足を前提」にしなければならない。食料は「金さえ払えば外国から、いくらでも輸入できる」時代は終了しつつあることを深刻に認識しなければならない。
             農水大臣は、コロコロ替わるが、第4期の農業政策が求められている重大時期だ。

            (2)4つの視点

             

             第1の視点は、農作物に関して。
            ①一村一品運動からの流れで、原材料(たとえば果実)の生産だけではなく、加工化(ジャム)、さらに販売まで農家・農村が自ら行う。
            ②高価値の新商品の開発。たとえば、輸出用リンゴ、輸出用高級米。
            ③有機農業、環境配慮型農業の高まり。
             
             第2の視点は、消費者に関して。
            ①地産地消。私が住む東京都杉並区立の小中学校では、米飯給食が週4回に増加した。
            ②食育基本法(2005年)が、消費者にどう影響をもたらすか。この法は「伝統食文化の喪失」を嘆いて、「食を大切に」という趣旨なのだが、なぜ、伝統食文化が喪失されつつあるのか、何も語っていない。社会的、経済的な原因、国内的、国際的な原因があったればこそ伝統食文化の喪失に至ったのであるが、原因分析を飛ばして、ひたすら「伝統」を大上段にうたっている。まさか、若者批判(魚をさばけない)に向かうとは思わないが…。


             第3の視点は、農業の担い手に関して。

              政府は、2005年に「食料、農業、農村基本計画」を改定して「経営所得安定対策等大綱」を定めたが、その基本は30数万の優秀農家に集約していくというものである。しかし、これは、「供給過剰を前提」にした縮小均衡論である。「供給不足を前提」にした発想ではない。
            ①農家出身サラリーマンの定年退職組、リストラ組のUターン支援。
            ②都市住民で田舎暮らし願望がある者は3割もいるが、どうしていいのか分らない。和歌山県那智勝浦町色川地域では、受け入れ体制を整えて、今では住民の3分の1がIターン者である。Iターン支援。
            ③一定地域の農家が協力する集落営農も成果を上げている。
            ④農業法人(株式会社でもOK)が急速に増加。外食チェーン会社は農業へ進出して、規模拡大中。農業法人の増加は、農民への経営的能力の刺激にはなっているようだが、大きな心配がある。アルゼンチンでは、過去5年間で株式会社が急進し、上位10社で耕地の1割を占めてしまった。農民のサラリーマン化(小作農化)になってしまうのではないか…。


             第4の視点は農業の規模に関して。
            たとえば、政府指導で、規模を拡大した酪農家(牛100頭で輸入飼料)は赤字だが、20頭規模の酪農家は黒字という。自作トウモロコシ(茎・葉・実がくっ付いたまま)をぶつ切りにして与えるので飼料代がゼロに近いからだ。諸条件の下、自作農としての適正規模があるはずだ。日本の農家がいかに大規模化しても、しょせんアメリカや豪州にかなうわけがない。


            (3)巨大多国籍アグリ企業の支配

             

             第4期の農政は「自作農」主義を再認識することが絶対だ。そのことが、「日本の食」を巨大多国籍アグリ企業の支配下にさせない方策でもある。

             たんに、経営効率だけを追求、規模拡大ばかりを追及すれば、結局は、巨大多国籍アグリ企業に屈する結果になる。狂牛病は経営効率を求めて、草食動物たる牛に、「肉骨粉」を与えた、つまり草食動物を肉食動物として扱った結果である。規模を拡大したアルゼンチン農業は、今や完全に巨大多国籍アグリ企業の支配下にある。

             古典派経済学者リカードは、完全自由貿易下では、「比較優位」産業による「国際分業」が全体の利益であるとした。この論は虚構であるが、巨大多国籍アグリ企業は、リカード説の自由貿易、国際分業を旗印にして、世界の農業需給を支配している。
             そして、説明は省くが、どうやらこれが世界の貧困と環境破壊の元凶らしい。


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