エネルギー自立都市構想(その5)

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    平成21年(2009年)3月21日に書いたものです。

      「エネルギー自立都市構想」のその5

      (5)フライブルク(ドイツ)・・・「環境首都」

      無人の砂漠・荒野に人工都市を建設、閉鎖系の島をエネルギー自立アイランドにする・・・ではなく、既存の都市を「エネルギー自立都市」に改造する。その先進的モデルも、すでに存在する。最も有名な都市が、ドイツ南部(スイスに近い)のフライブルク市である。先進的n環境問題に取り組んでいるため、「環境首都」と呼称されている。人口21万6000人。

    ◎自然エネルギー、交通政策、ごみ処理の3つが特に有名。
    ー然エネルギー・・・原子力発電計画への対案として「エネルギー自立都市」を基本とした。「省エネ」「既存エネルギーの新しい利用形態の推進」「新エネルギーの推進」の3本柱。
     古い建物が多く、断熱構造への改築
     省エネランプの無料支給など省エネ機器の利用促進
     低エネル...ギー住宅建設促進
     太陽光発電の普及
     ごみ埋め立て場から出るメタンガスを利用したドイツ最大級のコージェネレーション発電所
     市民風車(市民が出資して設置・運営、利回り5%)
    現段階では、自然エネルギー100%は未達成だが、それを目指している。
    交通政策・・・市内への一般自動車乗り入れ禁止(1984年)。市電・市バス・自転車の強化。市民の70%が路面電車の駅から500m以内。
    ごみ処理・・・ごみを出さないルール。具体的には、「使い捨て容器の禁止」「一定量以下のごみは換金」「焼却処分禁止」
    (コメント)日本ではごみ減量のために有料化政策を採用する都市が多い。フライブルクは逆の発想で、一定量以下にごみを減量した家庭にお金を渡す。

    ◎ドイツには、フライブルクだけでなく、いくつもの環境都市がある。
                                                                  (つづく)


    エネルギー自立都市構想(その4)

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      平成21年(2009年)3月21日に書いたものです。

        「エネルギー自立都市構想」のその4

        (4)ゴッドランド島とサンソ島

        無人の砂漠や荒地に、まったく新しい人工の「エネルギー自立都市」を建設するのは、案外容易かもしれない。同様に、閉鎖系の島は、エネルギー自立を達成しやすい。その例として、スウェーデンのゴッドランド島とデンマークのサムソ島が有名である。残念ながら、日本ではさほど知られていない。

      ゴッドランド島
       この島はEUの自然エネルギー自給島の対象地である。面積3140平方キロ(東京都は2187平方キロ)で、バルト海最大の島。人口5万7500人。観光客年間65万人。中心都市ヴィスビー(=ビスビー)は世界遺産に登録されている。宮崎駿のアニメ『魔女の宅急便』のモデルの街。農業と観光の島だが、国内最大のセメント工場もある。
      ◎石油・石炭の依存したエネルギーを、25年間(1998〜2025...年)で、再生エネルギー100%にする。
      (コメント)スウェーデンでは、イエテボリ市、ベクショー市がエネルギー自立都市として知られている。
      ◎中心都市ビスビーの地域暖房システム・・・ビスビーの75%が地域暖房システムネットワークに入っている。そのエネルギーの95%は、主に木材生産からでるバイオマスを資源とする再生エネルギーである。それ以外は、ゴミ処理場、下水処理場からのバイオガス、海水温度を利用したヒートポンプ。
      ◎島の南西部にウィンドファーム(風車設置地帯)・・・島全体で風車が80基ある。500KWの風車1基の設置額が約3600万円。年間の土地代・管理費が45万円。年間電力販売額が550万円。ということは、「3600÷(550−45)≒7.1」であるから、7〜8年で元がとれる。なお、耐用年数は25年間。

      サムソ島(デンマーク)
       「デンマーク自然エネルギーアイランド」という国家構想でのコンペで最優秀賞を得た。面積114平方キロ、人口4300人。
      ◎10年間(1998〜)で100%自然エネルギー電力供給のプロジェクト。5年間で達成。余った電力は本土に売却。
       陸上風車は、1000KWが11基。これで全島の電力100%自給。
       洋上風車は、2300KWが10基。
      ◎地域暖房はバイオマスの導入を推進。ウッドチップと太陽熱コレクターを利用したもの、麦わらを利用したもの。
      ◎サム・エコミュージアムが有名で、いわば「地域まるごと博物館」。
                                                                                     (つづく)


      エネルギー自立都市構想(その3)

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         平成21年(2009年)3月21日に書いたものです。


          「エネルギー自立都市構想」のその3


          (3)上海市崇明島の「東灘プロジェクト」


          無人の荒野に、エネルギー自立都市を基本とする未来都市を建設するプロジェクトは、「マスダール・シティ」だけではない。
         上海市の「崇明島(すうめいとう・チョンミンダオ)」で推進されている「東灘プロジェクト」は、世界初の「生態都市」をめざして建設が開始された。
         86平方キロ(杉並区の面積は34平方キロ)のエリアでは、建物の高さは8階に制限。燃料電池を動力にしたバスや電動バイク、自転車など環境に優しい乗り物が走る。下水は浄化再利用、固形廃棄物の80%は再利用。エネルギーは海風を利用した風力発電や有機廃棄物を利用したバイオ発電が取り入れられる。東灘エリアはCO²ゼロ都市として開発される。2010年上海万博で、その一部が公開される。

         ユーラシア大陸の東西に「エネルギー自立都市」が建設されている。にもかかわらず、日本では、「案」「構想」すら話題にされない。何者かの力によって、「エネルギー自立都市」は「不可能な夢物語、SF物語」であると、日本人すべてが洗脳されてしまっているようだ。

         なお、デンマークの「H2PIA」プロジェクトに関して。これは、都市ではなく、一つのビルの話。水素エネルギーを本格的に活用するビルである。未来は石油・石炭・天然ガスよ、さようなら。原子力もさようなら、である。  (続く)


        エネルギー自立都市構想(その2)

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          平成21年(2009年)3月21日に書いたものです。

            「エネルギー自立都市構想」のその2

            (2)マスダール・シティ・・・アラブ首長国の未来都市

            現在建設中のエネルギー自立都市で、もっとも端的な例はアラブ首長国連邦の未来都市「マスダール・シティ」である。不可能な夢物語、SF物語と思われているエネルギー自立都市が、具体化しつつあるのだ。日本ではビジョンさえ語られないのは、政治家・オピニオンリーダーの怠慢である。
          「マスダール・シティ」の概要が、平成20年(2008年)11月25日の朝日新聞に掲載されていた。(※今では、「マスダール・シティ」で検索すれば出てきます)以下は朝日の記事の要約です

            (アラブ首長国連邦=UAE)首都アブダビ郊外に未来都市「マスダール・シティ」が建設中。石油を使わずにCO²を一切出さない都市だ。予定地でマサチューセッツ工科大の研究所の建設が始まっていた。環境に関...する企業や大学の研究所が集まり、4万人が暮らし、5万人が通う。必要なエネルギーはすべて再生可能エネルギーで賄う。
           完成予想図では、太陽光発電パネルが畑のように広がり、周りを風力発電用の風車が取り囲む。砂漠に木々の緑の茂る街が浮かび上がる。この建設に、政府系投資会社が2兆2000億円を投じる。

           (コメント)たったの2兆2000億円である。ちなみに、批判の大きい定額給付金総額が2兆円、日本国家予算が80兆円である。

           「マスダール・シティ」建設予定地で平成20年(2008年)10月下旬、東京工業大学の玉浦裕教授が指揮を執っていた。機器を据え付ける準備だった。1年後、ここに玉浦教授が開発中の太陽光集光熱発電の実験プラントが完成する。将来は、中東の強い日差しを鏡で集めて600度の熱に変え、水蒸気で発電用タービンを回す。コスト面では太陽光パネルより優れ、火力発電と比べても見劣りしないという。

            マスダールのリッド・アワード開発部長は「我々は今後、石油を燃料ではなく、プラスチックの原料向けに使う。エネルギーは太陽を使いたい。地球に負荷をかけないやり方だ」と語る。        (続く)

          エネルギー自立都市構想

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            平成21年(2009年)3月21日に書いたものです。

             「エネルギー自立都市構想」

             (1)環境問題はエネルギー問題に収斂する

             平成1年(1989年)に、『ゴミ恐慌1992年』(八重岳書房)を発表しました。題名のとおり、「ごみ問題」の本で、今日に至る「ごみ問題の社会問題化」を喚起した本であると自負しています。ごみ問題を研究していると当然、「地球環境問題」を研究することに発展します。研究すればするほど、「深刻さ」を認識し、しだいに「絶望感」に陥り、いわゆる「地球環境ノイローゼ」になります。
             そして、私自身が「地球環境ノイローゼ」を克服できたのが、「大半の環境問題はエネルギー問題に収斂される」ことに気が付き、「エネルギー自立都市構想」の思いに至ったからです。

             「エネルギー自立都市構想」・・・その基本的イメージは次のようなものです。
            ◎石油・石炭・天然ガス・原子力を不要とし、自然エネルギーだ...けで、エネルギーをまかないます。
            ◎日本の常識では、そんなことは不可能・夢物語・SF小説と笑います。しかし、そうでは、ありません。
            ◎この構想のネタは、佐々木良作(元民社党委員長)が政界引退後立ち上げた「エネルギー問題調査会」の「最後の研究報告」です。佐々木良作の指示は、「なにものにもとらわれることなく、自由に、日本の将来、世界の将来を」というものでした。私も末席に座っていましたが、その報告書は当代一流の学者(原子力学者もいました)が書き上げたものです。
             その中に、東京を「エネルギー自立都市」に改造する場合、基幹的設備費用は約1兆円と試算されました。たったの1兆円です。ちなみに、国家予算は年間80兆円(当時)です。新宿の東京都庁が約3000億円だったと記憶しています。
            ◎要するに、「技術的に可能」。しかも、「さほど費用はかからない」ということです。
            ◎当時、「首都機能移転構想」がありましたが、これは基本的に20世紀型の「過密過疎論」に過ぎません。
            ◎「エネルギー自立都市構想」こそが、21世紀以降の子孫へのプレゼントです。

             こうした考えを、平成19年(2007年)4月9日の私のHPに掲載しました。そして、東京改造は、権利・利害が複雑なので、どこか「地方のモデルA地域」に「エネルギー自立都市構想」の大雑把設計図を描いてみようと考えました。
             しかし、その後思ったことは、私が大雑把設計図を描かなくても、すでに、世界の各地で「エネルギー自立都市構想」は具体的に進行しているという事実です。私の大雑把設計図よりも、その事実を宣伝することの方が、はるかに迫力がある、と思い至りました。(続く)

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