新型インフルエンザ等対策行動計画、小池知事は読んでいないのか?

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    杉並区議会議員(立憲民主党杉並区議団幹事長)太田哲二レポート(5月22日号)

                                太田携帯090−9248−0845

         杉並区新型インフルエンザ等対策行動計画

     

    ◆季節性インフルエンザ……毎年流行している。

    ◆新型インフルエンザ………10年〜40年の周期で、季節性インフルエンザウイルスと大きく異なる新型ウイルスが出現する。免疫を獲得していないので、パンデミック(世界的大流行)となる。

     

    (1)スペイン風邪

    100年前のスペイン風邪も当時の新型ウイルス(H1N1亜型の一つ)であった。世界で4000万〜1億人が死亡した。日本でも40万人が死亡した。

     

    (2)2009年の新型インフルエンザのパンデミック

    2009年(平成21年)に出現した新型インフルエンザもH1N1亜型の一つ(むろん、スペイン風邪ウイルスとは違う)で、パンデミックとなった。H1N1亜型(A/H1N1とも書く)でも、かなり多くの種類がある。

    2009年の新型インフルエンザはパンデミックとなり、日本では約2千万人が罹患(りかん)し、入院患者は1万8千人であった。ただし、諸外国と比較して、死亡者は199人、死亡率は0.16(人口10万人対)で、低い水準だった。米国は今回の新型コロナ同様、高い水準だった。

        2009年新型インフルエンザの死亡率の各国比較

     

    米国

    カナダ

    メキシコ

    英国

    韓国

    NZ

    タイ

    ドイツ

    日本

    死亡者数

    1.2万

    428

    1,111

    457

    257

    20

    225

    255

    199

    死亡率

    3.96

    1.32

    1.05

    0.76

    0.53

    0.48

    0.35

    0.31

    0.16

     

    厚労省の「新型インフルエンザの診療に関する研修」(岡部信彦、国立感染症研究所感染症情報センター、平成23年11月6日)のパワーポイントから推測すると、総括は次のようになる。

    「日本では、個人の衛生レベルが高く、皆が注意して、まじめに取り組んだ。医療費が安く、医療機関への受診が容易(→医療機関は大変だった)。通常の医療体制の延長では危機管理としての対応ができない、という認識を各方面が持つべき。」今回の新型コロナで、この総括は生かされていなかったと分かる。

     

    (3)新型インフルエンザ対策特別措置法(平成24年=2012年)

     2009年の新型インフルエンザへの対応を踏まえて、

    2012年(平成24年)に、この法律は制定。当時は民主党政権。自民党は審議拒否・採決に欠席。

     法律名の「等」は、新型インフルエンザと同等の危険性がある新感染症も対象にする、という意味です。

     

    (4)杉並区新型インフルエンザ等対策行動計画

    ●WHOの提言があったので…

    2005年5月 WHO(世界保健機関)は「WHOの世界インフルエンザ事前対策計画―WHOの役割と前パンデミック期とパンデミック期における国家レベルの対策への提言」を発表した。

    2005年(平成17年)11月、WHOの提言に準じて厚労省は「新型インフルエンザ対策行動計画」を策定した。それに伴い、2005年(平成17年)12月に東京都が、2006年(平成18年)3月に杉並区が、それぞれ「新型インフルエンザ対策行動計画」を策定した。

    ●「新型インフルエンザ等対策特別措置法」が制定されたので…

     前段で述べたように、2012年(平成24年)に「新型インフルエンザ等対策特別措置法」が制定された。

     その法の施行に伴い、厚労省も東京都も杉並区も、新たに「行動計画」を策定した。

     厚労省…「新型インフルエンザ等対策政府行動計画」…2013年(平成25年)6月策定。

     東京都…「東京都新型インフルエンザ等対策行動計画」…2013年(平成25年)11月策定。2018年(平成30年)7月一部変更。

     杉並区…「杉並区新型インフルエンザ等対策行動計画」…2014年(平成26年)9月策定。

     当然ながら、厚労省、東京都、杉並区の「行動計画」は、同類項です。

     

    (5)法改正(新型コロナウイルス感染症は新感染症にあらず

     2019年(令和1年)12月、「新型コロナウイルス感染症」が流行し始めた。

     「新型インフルエンザ等対策特別措置法」の「等」によって、「新型コロナウイルス感染症」は法の対象であると誰もが思っていた。ところが、政府は「対象でない」との解釈を表明した。感染症の専門家もビックリした。そんなことで、2020年3月13日に、国会は、わざわざ法を改正して、法の対象にした。その日まで、新型コロナは、特措法上、新感染症ではなかったのだ。その頃は、国内での感染が急上昇しつつあった。新型コロナ対策が根本的に遅れたのは、ここにある。

     

    (6)アラートは強毒性H5N1を発見した時なのに

     

     厚労省、東京都、杉並区の「行動計画」は似たようなものである。ちなみに、「都の行動計画」は、1未発生期、2海外発生期、3国内発生早期(都内未発生)、4都内発生早期、5都内感染期、6小康期、という6段階になっている。(杉並区の行動計画も同じく6段階)

     今(5月下旬)は「6小康期」である。「6小康期」には、「東京アラート」の文字はない。それなのに、知事・都は、急に「アラート、アラート」と発言している。

     「1未発生期」の時に、「東京感染症アラート」がある。これを出す場合は、鳥インフルエンザ(H5N1)という強毒性新型インフルエンザが発見された場合である。H5N1が日本に上陸したら、それこそ、1〜2週間後は死体の山の地獄が出現する。『H5N1』(岡田晴恵著)を読むと怖いですよ〜。

     知事は、「都の行動計画」の超重要用語「アラート」を、あまりにも無神経・気楽に使っている。

     なお、知事及び東京都は、「1未発生期、2海外発生期、3国内発生早期(都内未発生)、4都内発生早期」の時期、五輪ばかりに意識が向いていて、新型コロナを無視していた、のではないか……。

    今(小康期)なすべきは、「行動計画」にあるように、「第2波への備え・備蓄」である。むろん、私は、杉並区に提言しています。問題は備蓄の量である。大震災の場合、家庭での食料備蓄は3日間であるが、感染症の場合は明記がない。行動計画から推測すると、8週間分の食料備蓄が必要らしい。


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