債務者救済(借金処理)が最重要

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    債務者救済(借金処理)が最重要

     

    ●新型コロナ大不況到来

    2020年2月13日(木)本会議において、私は立憲民主党杉並区議団の代表質問をしました。その時、日本経済の状況に関しては「省略します」と述べました。なぜ、省略したのか。それは、新型コロナの影響がどの程度のものか、見極めが不透明だったからです。しかし、2月下旬には、はっきりしました。「新型コロナ大不況」の到来です。「大不況にあって、私の使命は何か?」を考えました。

     

    ●1998年の自殺者急増

    1年前(2019年2月13日)の本会議で、私は平成の時代の大事件を振り返りました。その一つは、政治の失敗による自殺者の激増です。

    日本の年間自殺者数は、だいたい2万〜2万5000人で推移していました。それが、1998年に、一挙に3万人を突破して3万2800人、実に約8500人も増加したのです。原因は、前年の1997年にあります。何があったのか?

    1997年4月25日、日産生命が破綻した。戦後初の保険会社の破綻です。

    11月3日、三洋証券が破綻した。戦後初の証券会社の破綻でした。

    11月17日、北海道拓殖銀行が破綻した。戦後初の都市銀行の倒産でした。

    11月22日、山一証券が破綻した。過去最大の証券会社の倒産でした。

    その年の暮れも翌年も金融機関の破綻が続きました。

    自殺者が8500人も激増した原因は、明らかです。自然災害ではなく、まさしく政治災害です。

    以後、2011年まで、自殺者は3万人台でした。以後、徐々に減少傾向になり、やっと2015年に、かつての水準2万〜2万5000人となりました。

    振り返れば、心底恐ろしい時代であった。政治災害で、毎年8千人から9千人が自殺に追いやられていたわけです。総合計すれば、12年間で約10万人が不良債権・借金苦で自殺に追い込まれたのです。大虐殺とも言えます。

     

    ●借金処理の「天下の宝刀」があった

    1998年の年末、自殺者激増の数字に接して、大ショックを受けました。何か方策はないものか? 大所高所の経済論はさておいて、目の前の、借金苦でもがき苦しんでいる人を救済する方策はないものか? 思案の末、民法の滌除(てきじょ)の条文こそ、借金苦の人を救済する「天下の宝刀」であると確信した。滌除とは、「洗いのぞく」という意味です。そして、滌除をベースにした「借金・抵当権消滅法」の本を書き始めた。本が発売になったのは、2001年秋でした。(数回改定され、今の題名は『そうか!こうすれば借金・抵当権は消滅するのか。』)

    発売と同時に、全国から相談者が来られました。なぜか、杉並区民は極めて少数でした。人間の心理として、「近所の質屋へは格好が悪くて行けない」ということかも知れません。ともかくも、相談に来られた方は、死神に憑りつかれたような表情から、死神退散、みんな、再生の希望と元気を取り戻しました。

    なお、私の本出版以後、出版界は「借金チャラ本」がブームになりました。

     

    ●国会の奇妙な民法改正・改悪

    ところが、世の中、本当に奇妙なことが起きます。おそらく金融業界の根回しと推測しますが、2003年の通常国会で、突然、民法の滌除が改正・改悪されてしまいました。しかし、滌除は「債務者を救済するだけでなく、債権者たる銀行も大喜びする」内容を持っています。そのため、小骨・中骨は抜いても、滌除の全面廃止は、銀行としても得策ではないと判断したのでしょう。「滌除」は「抵当権消滅請求」という言葉に変更され、大骨はしっかり残りました。

     

    ●亀井静香の金融円滑化法の登場

    不良債権処理の新しい諸制度が漸次整っていきました。

    ところが、2008年9月、米国でリーマンショックが勃発し、世界不況が日本にも押し寄せました。当時の民主党政権で、金融担当大臣亀井静香氏は深刻な不況に対応するため、借金返済猶予を目玉とする「金融円滑化法」の成立を熱心にすすめ、2009年12月から施行されました。この法に対して、モラルハザードとの批判もありましたが、抜群の効果があったと実感しています。私の所への借金処理相談は、稀となりました。

    金融円滑化法は、2013年3月に終了しましたが、その後も事実上は、借金返済猶予の仕組み「貸付条件の変更実施状況の報告」は継続されました。そして、2019年3月に「貸付条件の変更実施状況の報告」は「休止」されました。「廃止」ではなく「休止」としたのは、恐らく、経済情勢の変化によっては、「復活」という目論見があったものと推測します。

     

    ●金融円滑化法の復活

    そして、新型コロナ大不況の到来です。2020年3月に入って、「貸付条件の変更実施状況の報告」が復活することになりました。事実上の「金融円滑化法」の復活です。願わくば、「新・金融円滑化法」を望んでいます。

     

    ●借金返済猶予、借金消滅

    不況に際して、「融資をします」は盛んにPRされますが、「借金返済猶予」はあまりPRされません。いわんや、「借金消滅」は、ほとんどありません。私は、「借金返済猶予」及び「借金消滅」が、大不況対策上、何よりも重要と考え、動きます。


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