「未払い残業代」の時効も2年間から5年間に延長すべきである。

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    民法大改正と未払い残業代の時効

     

    (1)「残業代ゼロ法案」の話ではありません。

     自公政府は、専門職で年収の高い人を労働時間規制から外す「高度プロフェッショナル制度(高プロ)」を今秋の臨時国会で成立させる方針です。要するに、高プロの人は「残業代ゼロ」になるわけです。

     残業代を支払わなくてもOKとなると、「残業代ゼロの残業」が限りなく長時間になってしまう可能性が大なので、残業時間の上限を設定する方針も決まっています。ただし、現行の上限とほとんど変わっていません。

     こうした「残業代ゼロ法案」を巡って、連合幹部は対応を巡って混乱した。

     この話と「未払い残業代の時効」の問題は、まったく別の問題です。

    (2)現行では

     現行民法では、消滅時効の期間はまちまちです。

     たとえば、知人に金を貸してぼんやりしていて10年経過したら、時効は完成します。

     芸人への報酬は、時効期間1年間です。大工・植木屋の報酬も1年間です。飲食店の代金も1年間です。

     弁護士の報酬は2年間です。病院の治療費は3年間です。

     テーマの「未払い残業代」の時効は2年間です。これは労働基準法115条で決まっています。

    (3)民法大改正

     今年(2017年=平成29年)の通常国会で、120年ぶりという「民法大改正(債権法の抜本的改正)」が通過しました。施行は3年以内ですから、現時点では、まだ周知期間というわけです。

     いろいろ改正されました。「時効」も大きく変わります。

     現行では、これは半年間だ、1年間だ、2年間だ、3年間だ、と細かく定められています。これは、120年前の前近代的感覚(芸人・大工・植木屋よりも弁護士・病院は地位が上という感覚)で定めたわけで、「基本的に全ての債権」は、「権利を行使できることを知った時から5年間、または、権利を行使できる時から10年間」で「時効によって消滅する」となった。(改正民法166条)

     だから、芸人も大工・植木屋も飲食店も弁護士も病院も、みんな一律で5年間(知らない場合は10年間)になった。

    (4)「未払い残業代」は2年間のまま。

     みんな一律で5年間になった、と喜んだが、「未払い残業代」は2年間のまま。本来、民法改正と同時に、労働基準法も改正すべきだ。

      消滅時効に関しては、民法以外の法律にも特則が定められています。そのため、民法改正に合わせて、改正や削除がなされました。たとえば、商法522条(商事消滅時効)、製造物責任法5条、鉱業法115条、大気汚染防止法25条の4などです。しかし、労働基準法115条は改正されず、「未払い残業代」の時効は2年間のままとなった。

     なぜ、労働基準法の改正がなかったのか?奇妙な話だ。

     民法改正の審議中、大企業の「未払い残業代」が続々発覚して、時効を「2年→5年」に改正すると影響が大きすぎると判断したのか?あるいは、「労働者の残業代は、ゼロで」という思惑が強烈なのか?

     なんにしても、民法大改正の施行までには、労働基準法を改正して「未払い残業代」の時効を5年間にすべきである。

     

     

     


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